CACのAI関連サービス・ピックアップ2025！

生成AIは2025年もさらに進化を続け、ビジネスや教育、医療など様々な分野で活用が広がりました。CACも、生成AIをはじめとした各種AIの研究とAIを活用したサービスの開発に注力しています。
こちらでは、CACが2025年にリリースしたAI関連サービスの中から4つのサービスを取り上げてレポートします。

企業におけるAI活用の課題

急速に進展する生成AIについて国内企業はどのように見ているのでしょうか。総務省の「令和7年版 情報通信白書」によれば、生成AI導入に際しての懸念事項について国内企業の回答は「効果的な活用方法がわからない」が最も多く、他に「ランニングコストがかかる」「初期コストがかかる」といったコスト関連の回答も上位にあります。また、生成AIの活用による効果や影響については、「業務効率化や人員不足の解消につながる」が最も多く挙げられていました。
活用方法は明確ではないが、効率化や人手不足対策に役立てたい、しかし、導入や運用のコストは抑えたいといった企業の思惑が見て取れます。

こうした企業のAI活用への意向も踏まえたうえで、CACでは様々なテーマで企業のAIの導入と活用を支援するサービスを展開しています。

生成AI技術活用でシステム開発を革新する！「AZAREA Agent+」

企業のシステム開発では、恒常化するIT人材不足に加え、長年運用されて複雑化したシステムの刷新やモダナイズには高いコストがかかり、それらが高いリスク要因にもなっているという課題があります。
この課題に対応するためにCACでは、生成AIを活用してシステム開発を革新する取り組み「AI×SI Transformation」を進めています。この取り組みでは、AI エージェント技術を今後のコア技術に位置付け、CAC独自のアプローチにより、最新のAI技術を戦略的にソフトウェア開発に統合し、「AIネイティブな開発プロセス」の実現を目指しています。
その一環として、CACでは生成AIを用いた開発AIエージェント「Jitera」を提供するJitera社とテクノロジーパートナー契約を締結するなど取り組みを進めてきました。

▼ プレスリリース：CAC、生成AIでシステム開発を革新する「AI×SI Transformation」の推進に向け、Jiteraとパートナーシップ契約を締結

CACが「AI×SI Transformation」をさらに推進するべく2025年11月に開始したサービスがCAC独自の開発AIエージェント「AZAREA Agent+（アザレア エージェントプラス）」によるシステム開発サービスです。

AZAREA Agent+では、AIエージェント群が、グラフィカルに定義された開発ワークフローに基づき、協調しながら自律的にタスクを実行します。インプットされた要件定義情報から、システム開発で最も工数がかかる「設計」「レビュー」「テスト」の各工程でタスクの自律的実行や成果物の自動生成を行い、開発プロセス全体の効率化と自動化を実現します 。

「Human-in-the-Loop」機構を搭載

AZAREA Agent+では、AIによる自動化フローの途中で、開発者がAIの生成物を確認し、修正指示（フィードバック）を入力できる「Human-in-the-Loop」の仕組みを導入しています。AIの完全自動化によるブラックボックス化を防ぎ、人間の知見を反映させながらプロセスを適切に制御して成果物の品質を高めることを目的にしています。

CACは、今後この取り組みをさらに進め、システム開発の効率化とコスト削減により、お客様の競争力の強化に貢献していきます。

AZAREA Agent+

製造業のAI導入と活用を簡単に！「OCTOps」

製造業では少子高齢化を背景にした人手不足への対応策としてデジタル技術の活用が進められています。こうしたデジタル技術はCAD/CAM、生産管理システム、IoT等が中心で、これらに比べて製造業でのAI導入は遅れているのが現状です。
製造業のデジタル技術導入では、ノウハウや予算の不足、そして導入をリードできる人材の不足が課題として挙げられますが、AIの場合には、これらに加えて、AIモデル開発や現場導入や運用を担当するベンダーがそれぞれ異なることでコストがかさむといった問題もあります。また、AIが導入されていても、それが現場ごとに個別最適化されたAIの場合は、その運用や管理にも負荷がかかることも課題です。

こうした製造業でのAIの導入と活用の課題に対応するべくリリースしたCACグループのソリューションが「OCTOps（オクトパス）」です。OCTOpsは、工場などの製造業の現場に設置したカメラ映像からの情報取得、AIの分析、AIモデル再学習、運用管理まで、AIの導入と改善に必要な仕組みをパッケージングしたソリューションです。AIモデル開発から現場導入、運用までをOCTOpsで完結することが可能です。

OCTOpsは、Webカメラ、エッジマシン、データ保存環境、そしてお客様のパソコンで構成します。「作業工数把握」「モニター・メーター読み取り」「設備稼働状況把握」「安全管理」などの機能のAIは導入後すぐに利用いただけます。さらに、お客様の現場やご要望に応じたAIの開発も可能です。

製造業のAI導入と活用を強力に支援するOCTOpsですが、製造業のほかにも、建設業、物流業などの業界でも利用いただけます。

AIプラットフォーム「OCTOps」

企業の様々な現場でもっと簡単・低コストなAI導入と活用を！

CACでは、システム開発の革新、製造業でのAI導入・活用などのスケール感や範囲の大きなテーマだけでなく、各企業の個々の現場が、もっと手軽に、より低コストでAIを活用できるようなサービスの開発も進めています。

ペーパーレス化をもっと手軽に！「SaaS型AI-OCRサービス」

AI-OCRは、従来、手作業で行っていた伝票などの書類のデータ入力の手間を省き、データ化によりペーパーレス化が進むなど、業務の効率化に多くのメリットがあります。CACは画像認識AI技術を活用した様々なAI-OCRのサービスを展開していますが、2025年にリリースしたのが、SaaS型のAI-OCRサービスです。

このAI-OCRをCACで開発するにあたってのコンセプトは「電子化の対象にならなかった業務こそ効率化すべき」です。業務効率化に効果があるAI-OCRですが、その導入にはコストが高額だったり、ライセンス体系が複雑だったりといった障壁があり、また、規模が小さかったり、月ごとに処理件数にムラがある現場でも導入が難しいといった事情がありました。
そこでCACでは企業におけるAI-OCRの新しい選択肢として、導入や利用のコストを抑え、操作も容易に設計した本サービスを開発してリリースしました。本サービスはWebブラウザからすぐに利用でき、帳票処理を「業務単位」で管理・運用できる設計が特長です。帳票の登録・定義から読み取りや結果確認、ダブルチェックを行う再鑑作業までを簡単な操作で実行できます。

そして、気になるコストは初期費用ゼロ、月額4,980円から始められる料金プラン（月々払い）など利用方法に合わせた各種プランをご用意しています。また、年額一括支払いの「まとめて払い」プランなら利用料金の割引と月間の利用枚数制限なしでお得にご利用いただけます。

SaaS型AI-OCRサービス

AIアプリ導入を短期間・低コストで！「ローコードAIアプリ開発スターターパック」

生成AI技術の進展はローコード開発との組み合わせにより、より早くより手軽にAIアプリケーションを構築する選択肢を増やしました。

しかし、企業がAIアプリケーションを活用するには、導入や保守にかかるコストの大きさや期間の長さ、そして導入後の効果の不透明さなどを理由に導入が思うように進まない事情があります。
こうした課題に対応するためにCACがリリースしたのが、「ローコードAIアプリ開発スターターパック」です。本サービスを利用することで、企業は短期間でAIアプリケーションを実装して成果を確認しながら段階的に導入を進めていくことが可能になります。

本サービスでは、AIアプリケーションを短期間（1ヵ月）、固定料金（150万円・税抜き）で構築・導入することができます。Microsoft Power Platformを中心としたお客様の既存のMicrosoft環境を活用して、要件の整理と定義、アプリ開発、展開までをCACが一貫して支援します。

本サービスでは、「FAQチャットボット」「画像解析AI」「ドキュメント分析AI」など企業の日々の業務で利用頻度が高いテンプレートを提供します。これらのテンプレートを元にして、企業の要件に合わせたカスタマイズを行うことにより、短期間、低コストでのAIアプリケーション導入が可能になります。

ローコードAIアプリ開発スターターパック

本記事でご紹介したAI関連サービスのほかにも、CAC、CACグループで研究、開発を進めている様々なAI技術があります。CACでは今後も最新のAI技術を活用してお客様のビジネスの推進を支援してまいります。